ベルニナのミシンはすべて、シュテックボーンの工場で開発、設計、試作、そしてテストされています。会社の創始者、カール・フリードリヒ・ゲガウフの孫のハンスペーター・ウェルチは、スイスフランがどのような高値をつけようともこの製造地を離れるつもりは一切ありません。開発、テスト、そして組み立てが物理的に近い距離で行われることはベルニナ製品の品質を保つための基盤なのです。現在、高価格帯のミシンはシュテックボーン工場で製造され、そこから世界中に届けられています。加えて、低価格帯と中価格帯のミシンの試作品および連続生産のためのパーツもここで製造されています。8シリーズのミシンの胴体製作もここで行われています。これらの製造手順はベルニナのFlextec部門で行われます。Flextecでは20種類の標準的な押え金と130種類の特別な用途向けの押え金も作っています。シュテックボーン工場では年間でおよそ50万個の押え金が製造されています。
世界中で1200人以上の従業員がベルニナファミリーに所属しています。そのうち、300人がステックボーンで働いています(製品管理、研究開発、生産、営業、マーケティング、人事、財務、執行役員)。従業員も自分たちをベルニナファミリーの一員だと考えています。なぜなら、多くの従業員が20年、30年、40年、更には50年もの間ベルニナで働いているからです。彼らの長年の経験が製品に確かな品質を加えているのです。
2012年にシュテックボーンの製造過程は近代化され、建屋はより環境を配慮した形に改装されました。人間工学に従って明確化が行われたワークステーションは非常に仕事がしやすくなっています。
ベルニナ タイは1990年に設立されました。ベルニナタイランドではエントリーから7シリーズまで、ベルニナスイスでは最上位機種であるB 880 PLUSまで生産しています。低価格帯と中価格帯のミシンの製造に加えて、部品の生産を行うCNC生産センターとグリッパコンピテンシーセンターもここに置かれています。
ベルニナ タイは現地でスイス本社の人材によって管理されているため、高いスイス品質基準の整備を行うことが可能です。シュテックボーンの本社からは遠く離れていても、常に直接的なコミュニケーションが維持されており、品質の点検はスイス本社の人材によって行われます。
現在の世界的な経済の困難を切り抜けるためにベルニナは生産コストを全般的に抑えようとしていますが、同時にタイの従業員に対しての社会的な責任を果たすというポリシーを持っています。給料は最低賃金を上回っており。加えて、ベルニナ タイは従業員に昼食を提供しており、エアコンを利用して快適な仕事環境を作り出しています。スタッフの離職率の低さが、長く務めているいる従業員が環境に満足していることを示しています。
経営者のハンスペーター・ウエルツキーは、1990年、政治的に安定しているタイを生産拠点とすることを決めた。